ABOUT

しょうぶしょうぶ！－－お花の名前で、こんな響きのあるお花は珍しいのでは？菖蒲の「昌」は「さかん」、という意味。まさに「さかんな穂」なのです。当地方では端午の節句の５月に穂を出し始め、その高さは約２週間でみるみる３０～４０センチに成長します。日々伸び続けるその穂からは勢いを感じ、やがて紫紺に黄サシ、海のような花弁、ピンク、純白…と、空に向かって鮮やかな花弁を開きます。しかも二度も！
　その根は８月のカンカン照りの渇きにあっても、冬は冷たい雪に一カ月覆われても、少しずつ根を広げ続け、早春には必ず青々とした芽をだしてきます。
　古くから子どもたちの健やかな成長を願って、そして名前の響きから江戸時代から武家を中心に愛好家が品種改良が進み、いまおよそ約二千種の品種があります。石照庭園では一九九〇年代から栽培に取り組み始め、その５分の１にあたる４００種の継続栽培に成功しました。
　毎年６月には、遠くからは田んぼ一面に子どもたちが自由に絵具で描いたような、不思議な風景があらわれます。当園では、このうちから各ご家庭でも栽培しやすい種を選び、すでにご愛好いただいている栽培家のみなさまはもちろん、花しょうぶ栽培を楽しんでみたい初心者の方でも栽培しやすいようにガイダンスを付けて、全国にお届けする取り組みを２０１９年から取り組んでいます。
　ぜひこの機会にかわいい苗をお手元において、その健やかな成長を見守ってみませんか？しょうぶ！しょうぶ！